2020/6/22公開: 行政書士佐藤祥崇
後遺障害とは|交通事故
交通事故被害者請求や異議申立ての前提としては、その障害が後遺障害と評価されるものでなくてはなりません。ここでは、交通事故自賠責後遺障害とはどういった内容なのかについてご説明いたします。
後遺障害は前提として症状固定されている?!
一般的に用いられる「後遺症」と交通事故における「後遺障害」と若干赴きが異なります。明確な区別に関する規定はありませんが、交通事故におおける後遺障害とは事故による受傷後、ひと通りの治療が終了したにもかかわらず、自覚症状が残存している状況をいいます。
このひと通りの治療が終了し、それ以上の回復が見込めない場合を「症状固定」とよんでいます。つまり、交通事故外傷における後遺障害とは前提として症状固定されていることが必要となります。

症状固定までの経過の重要性
交通事故外傷において後遺障害と呼べるには、治療の経過が重要となってきます。
交通事故外傷によって受傷したにも関わらず、積極的に治療を行っていない状況がある場合には、後遺障害と認められない場合があります。
例えば、受傷後、まったく通院せずに放置したため、結果として障害が残存した場合には、その障害を後遺障害として評価されないことがあります。
また、通院頻度において、例えばほとんど通院していないような場合、残存した症状と交通事故外傷との間の因果関係を否定され、通院治療費にかんする保険金が支払われない場合があります。
自覚症状はできるかぎり主治医に伝えた方がよい?
ご自身の自覚症状は、仮にどんな優秀な医師がみても、第三者からは明らかではありません。そのため、通院加療される際には、可能な限りどこがどのように痛いのか、痺れを感じて動かしづらいのかなど、ご自身の自覚している症状について医師に伝える必要があります。

後遺障害等級認定実務上、実際にはどんなに痛みを感じていたとしても、ご自身から医師への自覚症状が伝わらない場合、残存している障害がないとして症状が寛解・回復したと評価されてしまいます。
結果として、残存している障害がないことになるので、後遺障害等級認定はされづらくなります。
つまり、適切な補償をうけるためには、医師にご自身の自覚症状について伝えることが重要なのです。